みなみ「“共感”って、自然に生まれるもんやと思ってました……」

みなみちゃんがぽつりとつぶやいたのは、あるサポート対応が終わった直後のことだった。

イタ「どうしたん?」

みなみ「メールで“ていねいに対応いただき、助かりました”って言われたんです。でも、実際はMAXくんがほとんどやってくれたのに……私だけが褒められた気がして……なんか、もやっとしてしまって。」

少し離れた席で、MAXくんが手を振ってニコッと笑った。線のようなキツネ目のその笑顔には、いつものように「ぜんぜん気にしてませんよ」という空気が漂っている。

みなみ「ああいうところが、逆に…申し訳ない気がしてしまって」とみなみちゃん。

ニシ「なるほどな、MAXくん、なんか人に“安心感”を伝えるのが得意なんよな。言葉じゃなくても、“あ、この人わかってくれてる”って感じるんやろな。」

みなみ「……でも、それって、作ろうと思って作れるもんなんですか?」

その問いに、AIちゃんが静かに答えた。

AIちゃん「“共感”って、たしかに“自然に湧く”ものだけど、“設計”することもできるよ。相手の立場に立つとか、視線を合わせるとか、同じ言葉を使うとか。脳の反応としても、それで“共感”が引き出されやすくなるって、ちゃんと研究されてる。」

みなみ「ふーん……」

イタ「だから、MAXくんみたいな人も、実はぜんぶ“自然体”じゃないかもしれへんで?」

みなみちゃんは、ちょっとだけ驚いたようにMAXくんを見た。

MAXくんは、変わらずニコニコしていたけれど、その目線は相手の目の高さに、きちんと合わせていた。

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▶第20話「雑談って、PRになりますか?」

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 ※この物語は概ねフィクションです。実在の人物や組織と関係のある話題もたまにありますが、実際には関係のない話が多分に含まれております。