午後の日差しがやわらかくなってきたころ。
イタルたちは、すこし寝転がったり、草の上でぼんやりしたり、思い思いに過ごしていた。


みなみ「あの……」
ふと、みなみちゃんが口をひらいた。

みなみ「“伝えたくなる会社”って……どんな会社なんでしょうか」

イタルが身体を起こして、優しくみなみちゃんを見る。

イタ「お、ええテーマ出たなぁ」

みなみ「伝えるのが苦手だったわたしが、もし“伝えたい”って思えたとしたら、それってすごいことだなって……」

AIちゃんが、風に揺れる草をつまみながら言った。

AIちゃん「“伝えたくなる”って、ちょっとした感動や、自分の中の“好き”が溢れそうになったときに生まれるんだよね」

ニシ「そうか……“伝えよう”じゃなくて、“伝えたくなる”か」

イタ「うん。“伝えなきゃ”って思ってるときって、ちょっと苦しいけど、“伝えたくて仕方ない”ときって、もう止められへんやん」


みなみちゃんは、そっとハスキーの頭をなでながら、ぽつりと言った。

みなみ「……わたし、まだ全然わかってないことばっかりだけど……でも、ちょっとだけ、“この会社、もっと好きになってみたい”って思いました」

三人は顔を見合わせて、ゆっくり微笑んだ。

イタ「それでええやん。そっから始まるんやで」

AIちゃん「まずは、好きになれる場所を、一緒につくっていきましょ」


空には、淡い雲が流れていた。

言葉にしきれない何かが、静かに、でもしっかりと、みなみちゃんの中に芽生えはじめていた。

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まずは、好きになれる場所を、一緒につくっていきましょ

第17話「誰の誠実さが会社の顔になるんです?」

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 ※この物語は概ねフィクションです。実在の人物や組織と関係のある話題もたまにありますが、実際には関係のない話が多分に含まれております。