第16話「“伝えたくなる会社”って、どんな会社ですか?」
パブリックリレーションズ

午後の日差しがやわらかくなってきたころ。
イタルたちは、すこし寝転がったり、草の上でぼんやりしたり、思い思いに過ごしていた。
みなみ「あの……」
ふと、みなみちゃんが口をひらいた。
みなみ「“伝えたくなる会社”って……どんな会社なんでしょうか」
イタルが身体を起こして、優しくみなみちゃんを見る。
イタ「お、ええテーマ出たなぁ」
みなみ「伝えるのが苦手だったわたしが、もし“伝えたい”って思えたとしたら、それってすごいことだなって……」
AIちゃんが、風に揺れる草をつまみながら言った。
AIちゃん「“伝えたくなる”って、ちょっとした感動や、自分の中の“好き”が溢れそうになったときに生まれるんだよね」
ニシ「そうか……“伝えよう”じゃなくて、“伝えたくなる”か」
イタ「うん。“伝えなきゃ”って思ってるときって、ちょっと苦しいけど、“伝えたくて仕方ない”ときって、もう止められへんやん」
みなみちゃんは、そっとハスキーの頭をなでながら、ぽつりと言った。
みなみ「……わたし、まだ全然わかってないことばっかりだけど……でも、ちょっとだけ、“この会社、もっと好きになってみたい”って思いました」
三人は顔を見合わせて、ゆっくり微笑んだ。
イタ「それでええやん。そっから始まるんやで」
AIちゃん「まずは、好きになれる場所を、一緒につくっていきましょ」
空には、淡い雲が流れていた。
言葉にしきれない何かが、静かに、でもしっかりと、みなみちゃんの中に芽生えはじめていた。

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※この物語は概ねフィクションです。実在の人物や組織と関係のある話題もたまにありますが、実際には関係のない話が多分に含まれております。