第23話「社内恋愛はPRの敵ですか?」

みなみ「え?ちょっと待って……あの二人、付き合ってるんですか?」
休憩スペースでアイスコーヒーを飲んでいたみなみちゃんが、ぽそっと言った。
ニシ「まあ、うん。わりとみんな知ってるけどな」
みなみ「うわぁ、うちの会社、ゆるいですね……そういうの、よくPR的にOK出ますね……」
AIちゃん「なるほど、今日は“社内恋愛とPRの関係”について話す感じですね。」
イタ「いや、PRって言っても別にプレスリリースで“〇〇さんと××さんが交際中です”って発表するわけちゃうやろ」
みなみ「でも、“どこで何を話すか”で、会社の空気ってめっちゃ透けて見えるんですよね」
みなみちゃんが真顔で言った。
ニシ「そうそう、たとえば、“あの部署、誰かと仲良くなると昇進できるらしい”とか、そういう噂って、正式な発信より何倍も“空気”を伝えるんよ」
その時だった。
窓の外から、またしても圧倒的な影が差し込んだ。
AIちゃん「……でたなユウ」
建物の外、身長5メートルのユウが、両手を後ろに組んで、まるで“校長先生”のような佇まいで佇んでいた。
ユウ「……恋愛は、組織の“緩み”を映す鏡です。」
低く、よく響く声がオフィスに静かに入ってきた。
みなみ「え、それって……良い意味ですか?」
ユウ「緩さの中に、“信頼”がある組織もある。反対に、過剰な緊張や抑圧で、“嘘の空気”になる組織もある。」
ユウは一息置いて、さらに言った。
ユウ「人が人を想う気持ちが、どこまで“語られていいもの”として扱われているか。それが“文化”の輪郭になる。」
ニシ「うわ……それ、めっちゃ深い」
イタルは笑いながらつぶやいた。
イタ「まあ、恋愛禁止のルールで守れるほど、人の心は単純じゃないしなあ。」
AIちゃん「でも、“あの人たちが付き合ってるから”会社を信頼できるって思われるケースも、ほんとにあるのよね」
みなみちゃんは少し考えてから、ぽつりとつぶやいた。
みなみ「……じゃあ、“社内恋愛”って、見せ方次第では“信頼”の源にもなるんですね。」
ユウは黙って頷くと、また音も立てずに歩き去っていった。
ニシ「この人、どこまでPRなんか理解してるんやろ……」とニシオカがぼそっと漏らした。
AIちゃん「たぶん、あの大きさで、すべてを“俯瞰”してるのよ」
みなみちゃんは、ほんの少しだけ、ユウの背中に憧れを覚えていた。

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※この物語は概ねフィクションです。実在の人物や組織と関係のある話題もたまにありますが、実際には関係のない話が多分に含まれております。